ウェブサイト「和英西仏葡語・海洋総合辞典」づくりの後継編さん候補者の応募要件については、本章前節(第17章第4節)
において、「応募要領」というタイトルの下で簡略に掲載されているところです。要件は定量的かつ厳格な基準をもって設定されて
いる訳ではありません。翻って、要件の幾つかは定性的であり、ファジーといえるかもしれません。基準をできるかぎり定量的に
提案できるに越したことはありませんが、敢えて定性的にせざるを得ない事情もあります。さて本節では、要件のファジーなところを
補うための追加説明を行ないます。
先ず、応募年齢について。海洋辞典づくりでは、1年や2年の短期をもって、そのゴールに辿り着こうというものではありません。
海洋辞典づくりは、息の長いライフワークとして取り組むことが強く期待されるところです。また、誰に強制されるものでもなく、
背中を押されてせかされるものでもありません。
本業・生業の合間を縫いつつ、その余暇時間を活用しながら、気長に、楽しみながら取り組むボランティアワークであり、また
ライフワークでもあると、願わくば位置づけて頂きたいと考えます。過去の取り組み経験からして、数十年(30年くらいの)単位で
取り組むのがベストだと思われます。もちろん、長丁場の途上で、適宜いずれかの時点で、自ら中締め的に一区切りをつけながら、
それを何度か繰り返すという取り組みになることでしょう。
長丁場の中で、わずかながらであっても辞典の「進化」のプロセスを楽しむこと(楽しめること)、そして気長に取り組むことが
何よりも大切となります。かくして、数十年単位の視点から大雑把に逆算すれば、次代編さん者はそこそこの若年から壮年の
方であるに越したことはありません。第二代編さん者の生涯において出来る限り長丁場で、少なくとも数十年間は取り組むことが
できることを期待して、応募年齢としては、25歳から40歳くらいの範囲をざっくりと想定しています。
次に、語学について。英語の語学力については十分自信のある方を前提としており、それなりのハイレベルの語学力が
期待されます。とはいえ、英語能力についての条件として、一定の絶対的なレベルを設けることはしません。例えば、過去10年
以内に英検何級、TOEFLやTOEIC何点以上をマークされていることなど、一定の絶対的なレベルを基準にすることはありません。
それらの有資格者であることに越したことはありません。また、有資格者の場合には、その等級・スコアが髙いことに越したこと
はありません。いずれにせよ、英語の語学能力にそれなりに自信をおもちの方、出来る限り高いレベルであるに越したことは
ありません。
また、スペイン語・フランス語・ポルトガル語についても同じことが言えます。検定資格何級以上の有資格者であることなど、
一定の絶対的レベルを設けることはしません。もちろん、客観的な指標となる、西・仏・ポ語などのより高いレベルの検定資格を
おもちであることに越したことはありません。だが、それぞれの語学についても、語学能力の客観的な基準を設定することは
ありません。それらの語学に全く関心がないというのは論外としても、語学専門学校などでそのいずれかを学習したとか、大学・
大学院で第二語学として履修したとか、過去何年間かNHK語学講座で独習した経験があるとかで、西・仏・ポ語のいずれかについて強い
関心をもち、それなりに高いレベルの素養が期待されるところです。いずれかにしても、西・仏・ポ語のいずれかにつき、その
語学力のレベルが高いに越したことはありません。それら語学について検定資格をおもちでない場合は、それぞれの言語について、その
レベルを適宜自己評価(下記のレベルA~Eにて)のうえ申告して頂くことにしたいと考えます。
検定資格のレベル記載事例: 英検1級、TOEIC○○点、TOEFL○○点、仏語検定○○級、西語検定○○級などとその取得年。
自己評価・自己申告の場合のレベル記載事例: 「レベルスーパーA」=海外留学修了レベル、「レベルA」=検定1級レベル、大学卒業レベル、
「レベルB」=検定2級、「レベルC」=検定3級レベル、高校卒業レベル、「レベルD」=中学卒業レベル。
・ 語学専門学校など(国内・海外)での履修経験、その他NHK語学講座などによる独学での語学学習経験がある場合は、その語学名・
機関名・履修(学習)期間などを適宜ご申告頂くことにします。
何よりも語学好きであることが大切であると考えます。応募時点での語学力も大事ではありますが、もう一つ重要なこととして、
過去の語学的バックグランドや現在における語学的関心や素養を生かしつつ、今後ともそれら語学への向上心や、学び続ける
意欲と情熱こそが真に強く期待されるところです。語学に常々接することに忌避感もなく、むしろ一つの大きな喜びとされることに勝る
ものはないはずです。英語に堪能である他に、西・仏・ポ語のいずれか(複数も可)を今後とも学習して能力アップを目指す努力
をいとわない方を最も期待したいところです。
教育的バックグランドについて。海洋、船舶、水産、海洋生物などにまつわる教育機関、例えば高等商船学校、海洋・水産高校、
海洋・水産関連の大学(神戸大学海洋科学部、東京海洋大学、水産大学校、東海大学海洋学部など)、普通大学のうち海洋・船舶・水産・海洋生物などにかかわる学部・学科、大学院・研究科などの
教育機関で専門的に修学された方であれば、それに越したことはありません。もちろん、欧米諸国などでそれらに類似する専門学校・
大学・大学院などで修学した経験のおもちの方であればなお素晴らしいことです。
教育機関を問わず、また国内外のそれを問わず、海洋学(海洋生物学、海洋地質学、海洋物理学、海洋化学、海洋環境学)、海洋・水圏における
生態学、航海・運用学、船舶機関・造船・船舶工学、海洋・沿岸(港湾)土木工学、水理学、地学、海洋気象、水産学・漁労学・養殖学、
海運学、海洋法・海洋政策、海洋考古学、海洋歴史文化などの海事分野にて、それらの諸学を専攻・修学された方であれば、それに
越したことはありません。だがしかし、そのようなバックグランドでなければならないということに拘泥するものではありません。
海にかかわる自然科学系・社会科学系や工学系の教育機関での修学した方であれば、海の辞典づくりにより強い関心と好奇心を抱きつつ、
真摯に取り組んで頂けるものと推察した所以です。
職歴について。例えば、政府や地方自治体において、海洋・船舶・水産・港湾・海運などの行政に携わる方。あるいは、
政府・自治体・民間であるかを問わず、海洋・水産・船舶・海洋工学などの研究所あるいは大学などにおいて、海洋・水産・海洋生物・
船舶・港湾・海洋資源やエネルギー・海洋法政策などの調査研究や教職に就かれている方。海洋・水産などの公益法人や
民間会社において、海洋調査・開発、漁業・養殖、船舶運航、港湾建設、海洋土木、海洋石油ガス・海洋鉱物資源開発、海洋エネルギー
などに従事されている方などであれば、それに越したことはありません。そのような海事関係の従事者であれば、
海語に接する機会がより多いと推察する所以でです。直接間接に上述の海事分野に関わる専門的教育を修められた後、上述のような領域での
仕事に従事されているのであれば、海の辞典の一層の「進化」が期待できるに違いありません。
因みに、欧米諸国などにおいて、海洋学、水産学、海洋生物学などの海に何がしか関わりのある大学学部・学科、大学院研究科
などで学び(あるいは学ぶ途上にあり)、なおかつ海洋関連行政に携わるなり、海洋・水産研究所などで調査研究に就かれている場合
(あるいは、その予定である場合)には、より理想的な海の辞典の作り手であるように思われます。
次に、応募要件と言うよりも、応募者に共通する基盤的要素として強く期待される事柄があります。
専門書などをひも解き、語彙を拾いつつ、他方で語学をさらに学びつつ、辞典づくりに取り組むためには、それなりの忍耐・根気、
意欲・情熱が求められることは確かなことです。語彙拾いをいとはない、ほとんど苦にならないということが強く求められます。
それらを支えるのは、第一に「海好き、海への愛」であると確信しています。専門教育の領域、語学力、職歴などと等しく、
またはそれ以上に大切なのが、根っからの「海が大好き」な方であるということです。
さらにもう一つの共通基礎要素として大切なのは、海、船、海洋生物などにまつわることに「知的好奇心」を常々全開できるか
どうかです。海好きでもなく、それらに好奇心がない場合には、それらの語彙拾いには、どうしても、それなりの苦痛と困難さが
つきまとうことにならざるをえません。「ウェブ海洋辞典」づくりの基本は海
にちなむ語彙拾いが基本なので、海のことなら何でも関心をもち、好奇心を全開に保つことができるが重要になります。語彙拾いを支え、
その原動力となるのは、この「海好き」と「海のよろずのことへの知的好奇心」ということになるようです。
第二の要素としては、「語学好き」であることです。日本語だけでなく、英・西・仏・ポ語などの海にまつわるさまざまな
雑誌記事・論文、専門書、ネットなどをひも解くことになります。そのプロセスにおいて、時に語彙拾いの観点からも、それらを繰り返し
通読あるいは熟読したりすることが、辞典づくりの基本となります。英・西・仏・ポ語などの語学に接することが好きな方、
語学力の向上に情熱を燃やし続けることをいとわない方が期待されているところです。国内外の新聞・論文・原書・基本書などや
ネット情報を紐解き、億劫になることなく辞典・辞書を気軽に手に取って調べ読み解くこと、またスマホやインターネットにアクセス
してこまめに調べること、また語彙拾いを重荷に感じることなく気長に楽しめることが何よりも大切であると感じます。
海の語彙の「大海」は、新聞・雑誌記事、定期刊行物の記事・論文、専門の教科書や原書、さらにはインターネットなど、
いたるところに無限大的に広がっています。そのような「大海」でてゆっくりと気長にオールを漕ぎ続け、辞典を編み続けるには、「海好き」と
「語学好き」であることが、極めて大切な本質的要素と言えるかも知れません。
事に当たっては、「好きであることに優るものなし」。さらには「楽しむことに優るものなし」と言えるでしょう。
「海好き」であればそれに優るものなしですが、さらには、辞典づくりを「楽しみ、楽しめる」のであれば、それに優るものは
ありません。辞典づくりの日々の活動としては、少しでも海にまつわる語彙を一つ一つ拾い上げ、書き溜め、英・西・仏・葡語でなんというのか(その逆もしかり)、
地道に自問自答を繰り返しながら、ネットや語学辞書、百科事典、専門図書などで調べ、海洋辞典に新規に取り込んだり、辞典の
記述を訂正したりアップデートすることが基本となります。海のいろいろなことを紐解き知ること、そのプロセスそのものを
楽しむこと、それこそが辞典づくりの原動力ともなると信じています。
語学力、教育歴・職歴もさることながら、辞典づくりをいかに楽しむか、楽しめるか、自分なりの遣り方を思い巡らせ、気長に焦ることなく、
それにチャレンジを続けられることに確信をもてる方を切に期待するところです。辞典づくりを生涯にわたり楽しみ、それを通して
人生をさらに豊かにできるという方を探し求めています。
最後に、蛇足ながらもう一言だけ加筆したします。教育的バックグランドや職業履歴、英・西・仏語などへの語学的関心、
あるいはまた海や船などへの知的好奇心や関心、その他諸事情のすべては人によって千差万別であります。
総合的に観てバランスの良い後継編さん者に辞典づくりの未来を託すことができれば、望外の喜びであります。
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