第18章 辞典づくりとその継承のための「実務マニュアル(要約・基礎編)」
第1節: はじめに読んで(本章の概要)
● 1985年に海に関する「語彙集づくり」を始めて以来、「ウェブ海洋辞典」づくりに40年近く取り組んで来た。辞典づくりには完成
や終わりはない。将来にわたってずっと長く引き継がれ(バトンリレーされ)て行くことが、その「進化」を見る唯一の方法で
あろう。「海洋辞典」づくりが、時間と場所を超えて次世代の後継編さん者に引き継がれて行くことを夢見てきた。私の存命中に
後継編さん者にバトンリレーできない場合は、次代編さん者のリクルート(公募方式など)と引き継ぎを家族に託す他ない。そのリク
ルート法などについては前章で既述した通りである。
● 次の後継編さん者(2代目)へのバトンリレーがいつに成就ししうるか、それまで何年要するか不詳である。少なくともバトンリレー
できるまで「ウェブ辞典」がネット上から消滅しないよう、毎年、2~3月中旬には、ドメインとレンタル・サーバー契約の延長と
支払いを続けることが求められる。それは家族へのお願いである。そのバトンリレーの方法についても前章で既述した通りである。
● 「ウェブ海洋辞典」が後代へと円滑なバトンリレーがなされる上で役に立つと思われる実務的基本事項をここに取り纏めた。
これは「要約編」であり、必要に応じて「詳細編」を参照願いたい。
● 本章第1節では、「基礎・要約編」の記載項目とそのポイントについて触れる。
● 第2節では、「ウェブ海洋辞典」のドメインとレンタル・サーバーの契約延長と支払い方法についての基本事項を述べる。
「ムームードメイン社」とのドメイン契約についても、また「ロリポップ社」とのサーバー契約についても、各社のウェブサイトから
「ユーザー専用ページ」にアクセスし、それぞれ1年間の契約延長を申し込み、支払票を印刷のうえ、最寄りのコンビニ
「セブンイレブン」などで支払うことで完了する。
● 幾つかのウェブページでは、契約者・登録者である初代編さん者(中内清文)の名前、電話、住所、メールアドレスなどのデータ
が登録されているものの、極例外を除いてそれらデータに変更を加えることなく、延長と支払い手続きを済ませられる
はずである。極論すれば半永久的にずっと初代編さん者のデータのままでも済ませられよう。
もっとも、後継編さん者はいつでもそれらを自己データに変更できよう。少なくともメールアドレスだけは変更して、同社との通信を
可能にしておく必要がある。
● 特に注意を要するのは、サーバー契約だけは、契約者・登録者の名義を変更すること、即ち他者に譲渡することは
できない(名義変更によって譲渡を認めれば、サーバーの登録者が次々と別人へと移行し、真の契約者が誰なのか不明となるからである)。
過去にいろいろ研究したが、次代編さん者は初代編さん者に成り済ませてウェブ辞典の管理運営や契約延長をし続けても何の問題
も生じないはずである。翻って、契約・登録者名義を変えようとすると物事は途端にややこしくなる。詳細は第2節参照。
● 第3節では、ウェブ辞典のフォルダー・ファイル・画像などのコンテンツや、それらの縦と横の配置関係について、即ち階層
構造について概説する。ウェブサイト閲覧ソフトの「ブラウザ」でホームページにアクセスした場合真っ先に表示される
のが「index.html」というファイルである(ウェブサイトのトップページとして表示される)。その最重要ファイルの配置場所や、
他のフォルダー・ファイル・画像との関係について概説する。また、辞典づくりのために必要とされる基本的機器(ハード)と
ソフトについても概観する。
● 第4節では「html言語」による作成法について概説する。「ウェブ辞典」づくりは「html言語=タグを用いた命令言語」で
記述されている。ホームページビルダーと称される、その作成専用ソフトがあるようであるが、一度も使った
ことがない。タグ命令言語によるホームページ作成法の基本・エッセンスを30分で理解できるように、本節で概説したい。
決して難しいものではなく、「何だそんな決まりか」と肩の力が抜けてしまうことであろう。決して後ろ向きにならで下さい。
● タグ命令方式によるのが最もシンプルでありベストである。ウェブ辞典の見栄えを良くし機能性を拡充させその進化を
どんどん追求する余り、タグ命令言語を多用かつ多様化して、言語の使い回しをより複雑化させがちとなる。利用者にとっては
便利さなどが向上するかもしれなが、編さん者にとってはプログラミングに四苦八苦し続けることにつながろう。
当代の編さん者がよくても、次代の編さん者が辞典づくりをためらうことになりかねない。
時代が変わっても、辞典づくりは半永久的にシンプルであることが、その持続可能性の観点から大切であると
思われる。最も簡単なやり方をずっと将来にわたり継続するのが、辞典づくりを長続きさせることにもつながろう。
辞典づくりを複雑にすれば、バトンリレーできる編さん者を限定することにつながり、また編さん途上での息切れの要因となり、
最悪編さん放棄に至る要因にもなりかねない。
● また、将来時を経ても、このタグ命令言語方式はウェブ作成の基本であり続けるはずである。パソコンが新機種になろうが、その
基本ソフト(OS)がウインドウ10から15にバージョンアップになろうが、マッキントッシュのOSに換えようが、ウェブ作成専用ソフト
がバージョンアップされ続けようが、また編さん者が次世代と交代しようが、このタグ命令方式が引き継がれさえすれば、
時間と場所を超えて辞典づくりをバトンリレーして行けよう。
● 第5節では、新規作成あるいはアップデートしたフォルダーやファイルなどをサーバーへアップロード(送信)するための
「ftpソフト、または ffftpソフト」のインストールや使い方について概説したい。ウェブサイトをアップデートするための実に合理的に
できているソフトで、慣れればこんな便利なウェブ用ツールはない。それも無料ソフトである。
● 第6節では、辞典づくりにおけるその他の重要事項についてランダムに概説したい。
例えば、辞典編さん上の留意点として、ファイル同士のリンクや、外部のウェブページとのリンクの仕方、フォルダー・ファイル
名の変更で特に気を付けたいこと、フォルダー・ファイル・画像の階層位置の変更の結果としてウェブ表示の正常化を取り戻す
のに何カ月も要することになりかねないこと、画像ファイル(拡張子「.jpg」「.gif」が付くもの)についての基本、外付けハード
ディスクへのデータの定期的バックアップ、「一枚の特選フォト海&船」の作成に関する留意点などに触れたい。
このページのトップに戻る
/Back to the Pagetop.